逆流性食道炎を防ぐ「9つの生活習慣」を医師が解説「胃酸が逆流しやすくなるから食後2時間は横になるのはNG!」

 胃酸が食道に逆流することで、食道の粘膜に炎症が起こる逆流性食道炎。生活の変化によって逆流性食道炎になる人が急増しており、日本人の3~4人に1人が罹患していると言われる。ただの胸やけとされ発見が遅れやすい病気だからこそ、自分の体に耳を澄まして早めの対応を行おう!

教えてくれた人

関洋介さん/四谷メディカルキューブ消化器外科臨床研究管理部・部長。大阪大学医学部卒業。フリンダーズ大学、ミネソタ大学などを経て、2009年より現職。社団法人GERD・LPRD診療ネットワーク理事長。著書に『それ全部、逆流性食道炎です。』(アスコム)など。

胃酸の逆流を予防しよう!逆流性食道炎にならないための9つの生活習慣改善ルール

 ゲップがいつもより多いなど「おかしいな」と感じたら、まずは食習慣や姿勢、体形をチェックし、次のルールを試してみよう!

【1】脂っこい食事は控える

 食事をすると消化するために胃酸が出るが、油物を摂るとその量が増える。「胃酸が多いと逆流する原因にもなりかねません。揚げ物の摂りすぎは要注意です」(関さん・以下同)。

【2】腹八分目を心がける

「食事量が多ければ胃酸の分泌が多くなるうえ、胃が過度に膨らみます。すると、下部食道括約筋が胃の入り口を締める力が弱まり、逆流が起こりやすい。暴飲暴食は控えましょう」

【3】刺激物を摂りすぎない

「唐辛子などの辛いもの、酢やレモンといった酸味の強いもの、コーヒーなどのカフェインを多く含むものなどは、摂りすぎると胃を刺激し、胃酸を多く分泌させるので食べすぎは厳禁です」

【4】飲酒はほどほどに

「アルコールは、胃酸を過剰に分泌させ、下部食道括約筋を緩めます。特にビールなど炭酸入りのものはガスをためやすく、ゲップとして体外に出すときに胃酸の逆流に拍車をかけます」

【5】お腹まわりのサイズに注意する

 内臓脂肪が多いと、脂肪が胃を圧迫し、逆流性食道炎になりやすい。「肥満度を表すBMI【体重kg÷(身長m×身長m)】の数値が25を超えると発症しやすくなります」。

【6】お腹を締め付ける服装は避ける

「ベルトやガードルなどによってお腹を圧迫すると腹圧(胃の内圧)が高まるので、胃酸が逆流しやすくなります」。症状が気になるときは、腹部がゆったりした服装を心がけて。

【7】背筋を伸ばして姿勢よく

「前かがみになると腹部が圧迫されるので、普段の姿勢はもちろん、歩いたりデスクワークのときなども、背筋を伸ばして」。特に食後や、草むしりなどの前かがみになる作業は要注意。

【8】食後2時間は横にならない

 食後は胃酸の逆流がもっとも起こりやすい時間帯なので、すぐに横になるのは危険だ。「少なくとも食後2時間は横にならないこと。寝る前の食事も避けましょう」。

【9】体の左側を下にして寝る

「胃は左側の方が膨らんでいるので、横を向いて寝るときは、左側を下にすると逆流が防げます」。仰向けで寝るときは、枕などで腰から頭まで約10度の角度で高くするのもおすすめ。

取材・文/上村久留美 イラスト/こさかいずみ 写真/ゲッティイメージズ

※女性セブン2024年4月4日号

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